穢れた俺

初めてシッポ取りを経験して、自分にシッポが生やさせられた屈辱と同時に男子がシッポを生やした姿を見て俺は興奮した。そのときは性的興奮だとは気づいていなかった。

シッポを生やした男子はエロい。シッポを生やした男子が見たい。

シッポを生やした男子は、俺にはほとんど麻薬や媚薬に近い存在となっていた。

ちょうどファミリーコンピューターがはやり始めていた時代である。遊びに来た男子にシッポを生やさせその姿に興奮した日々が続いた。

「俺はシッポを生やしたいわけじゃない。動物になりたいわけじゃない。シッポを生やした男子が見たいだけなんだ。シッポを生やして動物に近づいてしまった男子が見たいだけなんだ。俺は動物になりたいわけじゃない。」

誰に対してか、そんな言い訳を何度も自分の中で繰り返した。

そこで出会ってしまったのがピノキオである。児童文学全集に入っていたピノキオのロバに変わっていくさまを読んで興奮していた。特にシッポが生えるときの恥ずかしさ。

「そんなにシッポに興味があるんだったら生やしてみろよ」

悪魔?がささやく。

「え、でも俺人間だし・・・。シッポなんかなくてもいいし・・・」

俺は抵抗する。

「別にいいだろ、誰に言うわけでもないし」

悪魔?が続ける。

「でも・・・」

俺は必死に靴下を引き出しから取り出したい衝動を抑える。

「お前の友達がシッポを生やした姿を見て興奮してたんだろう、お前」

「ああ、そうだけど・・・。」

「あいつ、シッポを生やしても別にどうってことなかったじゃねえか」

「うん、別に変わらなかったよね」

「お前の尾骶骨、うずうずしてんじゃねえか」

「少し・・・」

「足に履く靴下をパンツに挟むだけだ、痛かねえよ」

「そうだよね・・・」

「起き上がって靴下を出せ、お前もシッポを生やすんだよ」

「え・・・」

「本当はシッポを生やしたいんだろ?自分がシッポを生やしたら勃起する変態だって気づいてるんだろ?お前がやらないんだったら俺がお前を動かす」

気がつくと俺は起き上がりたんすの引き出しから靴下を取り出し、パンツに挟んでいた。体温よりも低い靴下の感触が異物感となりケツに当たった。

「ははは、これでお前もシッポが生えたぜ」

「俺もシッポが生えたー!」

「ああ、これでお前もシッポを生やしたお前の友達やこいつらの仲間だ」

手にはピノキオの本のあの場面が開いていた。

「うぉーーー!お前たちにシッポが生えた!俺にもシッポが生えたぜーーー!やべえ、最高!」

「お前、チンポカチカチだぜ!シッポ生やしちまってよ!興奮しろよ!動物だよ、お前は!猿だよ、猿!それともロバか?動物になっちまった自分や他の男たちに欲情してシコれ!」

こうして、俺自身シッポを生やして興奮する変態になったのだ。

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